Guanajuato international film festival で giff ギフです。
毎年この時期、このグアナファト州のサンミゲルデアジェンデとグアナファトで開かれている国際映画祭です。私は今年は短編ドキュメンタリーと短編アニメーションをメインに、劇場をはしごしてました!
サンミゲルでの5日間の開催期間中、短編ドキュメンタリー16本、長編ドキュメンタリー2本、短編映画5本、長編映画1本、短編アニメーションを20本、織りの合間にちょこちょこと見に行ったのでした。結構見たなー。
我ながら、学生時代の、映画が好きで、ぴあを常に鞄の中に持ち運び、東京近郊の映画館を巡っていた時の情熱が蘇ったかのような熱心さでした。
メキシコのドキュメンタリーは本当に面白いです。
ベラクルス地方の音楽、おおらかなギロ奏者の巨匠たち 『El Tucán 』
アメリカで生まれ、今は(多分ゲレロ州の)すごい田舎で、たくましく奔放に生きるシングルマザーの女性『Artemio』
人里離れて、ヤギと共に生きるヤギ使いの夫婦の優しいヤギ愛 『Valentina』
60年前にメキシコにやって来て、メキシコシティに写真屋さんを構えた日本人、サエキさん 『Relato familiar』
ゲレロ州からコリマへ出稼ぎに行く国内移民 『Tecuani, Hombre jaguar』
ナヤリットの海辺のタバコのプランテーションで働く、砂漠の民ウィチョールの家族 『Huicholes del tabaco 』
それぞれのドキュメンタリー作品が、それぞれの角度からメキシコを切り取っていて、全部違う、でも、全部メキシコという……。メキシコの懐の広さを改めて見せつけられた気がします。
地域、民族、世代、都市、田舎…違う世界が交ざったりぶつかったりしながら、多様な文化を内包するメキシコ。
全部全部ひっくるめて、やっぱりメキシコ好きだなーと思いました。
人生の悲喜こもごも、暖かさ、優しさ、逞しさ、悲しみ、悲哀、やるせなさ、そして、強さが画面から伝わってくるそれぞれのストーリーは、明るいばかりではありませんでしたが、若手の監督さんたちが自分の国のいろいろな側面や問題に真正面から向かい合ってゆくパッションが感じられました。
長編ドキュメンタリーの『Aquí sigo』(英語タイトル Still here)
メキシコ人映画監督、ロレンソ ・ハガーマン監督の作品でただ一言素晴らしかったです。
西洋、東洋いろんな国の90才、100才をこえる人々の日常を、すなわち人生を見て、言葉を聞いて、ひたすら楽しく、優しい気持ちになる映画でした。メキシコのおじいさんがもう最高で。また見たいなー。メキシコでは8月17日から映画館で上映されるそうです。
日本でも上映されてほしいなー。
もちろん、メキシコの映画ばかりでなく、世界中からいろんな映画が招待されていて、アニメーションではチェコスロバキアからの『Awaker』は、絵もかわいくて、ほっこりなお話で好きでした。アメリカの『Hot dog hands』は、絶妙に気持ち悪くて、まさかなクレイジーさが、頭に残っちゃった。面白かった。
わずかな時間の間に、いろいろな世界へと連れていってくれる映画。
今回は短期間にかなりいろいろな世界へと行ってしまったせいか、未だ興奮状態です。
サンミゲルでは終わってしまいましたが、30日までグアナファトで giff 開催されてます。
全部無料という素晴らしさ。
メキシコにいらっしゃる方々におすすめしたいです!