先週から、サンミゲル・デ・アジェンデのBellas Artes で100年以上昔に織られたサラペが展示されています。
会場となるBellas Artes はもともと18世紀後半に建てられた修道院だった建物で、高い天井と落ち着いた佇まいに、いにしえのサラペが並んでいる様は圧巻で、本当に素敵です。
サンミゲル近郊や、サン・ルイス・ポトシ、サルティージョなど、主にメキシコ北部で織られていたものを中心に展示されています。
その色やコンディションなど状態のよさは抜群で、その細かいお仕事ぶりが生き生きと伝わってくるのです。
正面両脇がサンミゲル・デ・アジェンデ、真ん中がサルティージョで織られたもの。
遠くからだとまったく気づきませんが、左右対称に2枚織ったものを真ん中で継ぎ合せています。
(近くから見ても言われないと気が付かないかも・・・。)
角度の違う斜めのラインを一つの模様の中に入れてくるとは・・・・。すごい。
19世紀後半から20世紀前半、メキシコ北部で織られていたサラペのもつ正確さ、美しさ、緻密さ、創造性は異次元です。
糸を紡ぐ人、染める人、縦糸をかける人、織る人、仕上げの人、と工程ごとに専門の職人がいて、それぞれの最高の技が作り出したもの。
糸を細く、均一に紡ぐのも、その細い糸でこんなに大きいサラペをこんなに細かな模様で織るのも、どれほど大変で、どんなに時間がかかることか!でも眺めているだけで、職人さんたちのプライドと活気に包まれた、いにしえの工房で生み出される様子が想像されて、楽しくて幸せな気持ちになります。これぞ、芸術のもつ力。
私もいつか異次元のものを織りたい!と思ったのでした。