セマナサンタ

先週はセマナサンタの休暇ということもあって、サンミゲルはものすごい人混みで賑わっていました。

 

セマナサンタはキリスト教において、最も重要な期間だそうで、エルサレムでのイエスの受難、死、そして復活を追憶するような行事がたくさんありました。

メキシコ人にとっては学校も仕事も休みになる休暇期間でもあり、また、アメリカ人やイギリス人などのプロテスタントの人も多く住んでいる街でもあるサンミゲルでは、キリスト教徒にとって最も大切なこの一週間の盛り上がりといったら、正月と盆が一緒に来たような・・・とでも言うのでしょうか。眩暈のするような賑わいでした。

サンミゲルではセマナサンタ前の金曜日、街中に祭壇が飾られる viernes de dolores からぐっと雰囲気が変わっていきます。

viernes de dolores

viernes de dolores

日が落ちて暗くなったあたりから、街のお店や、個人のお宅で各々趣向を凝らした祭壇が公開されて、訪れる人でごった返しています。

普段窺い知ることのできない、美しい中庭のある古い建物のお宅にも、この日ばかりはお邪魔することができるのでとても楽しみにしています。

 

セマナサンタの始まりの日曜日は、イエスがエルサレム入城を記念したパレードがあったり、水曜日には聖書に記された、イエスの苦難の15場面を思い祈りながら進む行列があったり、木曜日には7つの教会を巡りをして一年の幸運を祈ったりします。

 

クライマックスは、金曜日の午後17:00にインスルヘンテス通りにある教会から始まる、イエスの葬列ともいえる行列です。

procesion喪服を着た男性たちによってイエスの棺が運ばれていきます。

procesion黒い服を身に纏った、涙にくれる聖母マリア。そこはかとない美しさを感じました。

喪服に身を包んだ人々の列が、ゆっくりと静かに、厳かに進んでいきました。観衆からはすすり泣く声も聞こえました。2000年以上前の人の死に、今なお人々が共感するとは、凄いことだと思いました。

 

そして復活祭の日曜日。

サンミゲルでは quema de judas と呼ばれる行事が行われます。

裏切り者とされる、イスカリオテのユダに模した張りぼてを爆発させます。quema はスペイン語で燃やすこと、焼きはらうことを意味する単語ですが、実際はそんなものではありません。着火後、すごい勢いでグルグル回りだし、パーンと爆発です。結構衝撃的な光景です。

うまく爆発しないとブーイング、爆発が早すぎてもブーイング、良い具合に木端微塵になるとブラボーと盛り上がります。

ユダに見立てて、悪魔や時の政治家なども毎年登場します。

quema de judas

今年はやはり、何かと話題のあの方の張りぼてが登場してました。

quema de judas

quema de judas髪型が特徴的なあの方!ドナルド風トランプ氏!大トリで一番盛り上がってました。

 

金曜日の重々しい荘厳な雰囲気と、いきなりぶっ飛んだ感じの日曜日の雰囲気の落差には毎年びっくりしてしまいます。

アメリカやイギリスではイエスの復活を祝う復活日(イースター)が一番重要で、盛大にお祝いされるようですが、サンミゲルでの復活日のメインイベントが quema de judas(ユダ焼き)だったという、この違いは面白いなと思いました。

「死」により重きを置くのは、キリスト教以前のメキシコの人々の死生観が、ひたひたと根底に流れているからでしょうか・・・。

 

 

 

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