ヨシの籠

サンミゲルの街の近くには、carrizo(ヨシ)で籠を作る人々のいるコミュニティがいくつかあります。

私も織る者の端くれとして、織る、編むことには常に興味津々です。(ちなみにスペイン語では織るも、編むも tejer という同じ単語を使います。)

先日機会があって、籠を作る様子を見せてもらえることになりました。

川のほとりに生い茂っている carrizo を切り出すところから教えてくれました。

Carrizo は日本でいうところのアシ、ヨシのことのようです。

川沿いなどの水の豊かな場所に育つイネ科の植物。日本でも古くから身近にあった植物で、歌に詠まれたり、楽器になったり。

日本の葦簀のように、この地域の家々でも、壁や塀に carrizo の茎が使われたりしています。

台所の壁の carrizo の茎の隙間から入る陽の光に、竈から上がる煙が反射するのが美しくて、その光景みるたびに、私はすごく幸せな気分になります。

 

 

Carrizo を切り出して、葉を切り落とし、節を滑らかにしたら、縦軸にする用と、横糸のように編み込んでいく用、取っ手の部分用、仕上げの部分用、すべて長さや太さや厚みが違っていて、それぞれ違う工程を経て用意します。

根元の部分が太くて、先になればなるほど細くなる一本の carrizo を編みやすいように均一の太さに切ることの難しさよ!

 

使う道具は一本のナイフだけ。

リズミカルに、無駄のない動きでさらさらと籠が編みあがっていく様子は、なんというか、ただただ美しく目が離せませんでした。

作っているところを見ていると、あまりに簡単にやっているように見えるのですが、いざ自分でやらせてもらうと、思ったよりも力が必要で、ナイフ捌きには熟練の技が必要なことがよくわかりました。

 

Carrizo は切り出すときに根元から切ることで、また自然と生えてくるそうです。そして、切り落とした端の部分や使わなかったものは、竈で使う薪になります。

とても自然に、生活の中に carrizo があって、手仕事があって、その色々が滑らかに循環していて、すごく素敵だなと思いました。

 

ちなみに、私は織る糸をいれるのに、メキシコに来て以来ずっとこの carrizo の籠を使っています。

今回、改めて家にある carrizo の籠を集めてみたら、思った以上に私の生活の中にも入りこんでいました!

あるものは糸入れとして、あるものはキッチンで食材やら食器を入れるために、また他のものはゴミ箱として。気付かぬうちに増えている。

10年以上前から使っているものは、だんだんといい感じに、濃い飴色になってきました。

フレッシュな緑色もいいけれど、時の流れとともに色が落ち着いていく様子を楽しむのも、籠を持つ醍醐味です。

 

 

 

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