青を巡る旅

今年も忙しく、そして楽しく織って暮らすことができました。ありがたいことです。

今年のはじめに旅した時に、宮崎から霧島神宮に向かう電車で通り過ぎた青井岳。

冬枯れの茶色い景色の中にスッと一瞬現れた、常緑の山の青。青井岳、あおいだけ。

その景色と響きに導かれた一年でした!

”青いだけ” を織りたい!と思って、メキシコのインディゴ染料 Añil を探しに3月にはミチョアカン州に、6月にはメキシコシティへ出かけました。結局 Añil を手に入れることは出来なかったけれど、探す道中、出会った人々や文化や暮らしはとても面白く、知らなかった新しい世界につながっていきました。

Añil 以外のメキシコの草木染料もその過程でたくさん知って、その深みの一端に触れることができたと思います。

今年は Añil を染められなかったけれど、日本の藍を使って染めてみることは出来ました。

やってみて改めて知る、青という色の不思議なことと言ったら。

染色というのは、自然の力と人の力が重なるところに現れる摩訶不思議な世界を覗き見る感じ。

今年は染めを通して、本当にいろいろなことを学びました。

16世紀、アメリカ大陸から海を渡った染料がヨーロッパの人々の暮らしの色を変えたとか、そんな面白い話を読んだり調べたりしていると、ああ、400年前も世界は繋がっていたし、動いていたんだな、と目の前がパーっと開けたような気がするのです。

そして、宮崎、霧島と旅をして辿り着いた、鹿児島の海を見ていた時に、それと全く同じ感じがしたのを思い出します。

日本の歴史の中で、いつも外の空気に触れ続けてきた場所。外のものが辿り着いて、中のものが吐き出されていく、南の島のさきっぽ。自然の力と人の力の美しい均衡があって、本当に面白い。青い海と緑の山の間に立ってぼーっと海を眺めてみては、その先に、今も昔も、ここもあそこも繋がっているのだと実感しました。

来年も引き続き、色の不思議に取りつかれながら、染めと織りの世界を漫遊して行きたいと思います!

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