以前、ネナシカズラ(ネナシカズラについてのブログはこちら) で染めた黄色に藍を重ねて染めてみました。
16世紀にフランシスコ会修道士ベルナルディーノ・デ・サアグンによって記されたフィレンツェ文書には、スペイン人に征服された時の先住民の人々の生活習慣全般についてが書かれていて、そこには顔料や染料、色についての記述もあります。
それによると、インディゴ染料 (añil)とネナシカズラ (zacatlaxcalli) を合せた色は Quiltic と呼ばれていたそうで、その色がどんな色だったのか試してみたかったのです。百聞は一見に如かず。
メキシコで古くから使われていたインディゴ染料 añil (ナンバンコマツナギ) は手に入らなかったので、代わりに日本から持ってきた藍を使いました。
先日染めたネナシカズラの黄色に藍を重ねて染めてみると、とても爽やかな緑色に染まりました。
Quiltic はナワトル語で青いままの豆類に由来する言葉で、「グリーンピースのような緑色」を意味するのだそう。グリーンピース!たしかに。
ネナシカズラも藍もトーンが違えば、その掛け合わせによっては、これまたたくさんの異なるトーンの緑が現れると思うので、これが Quiltic だ!と言い切っていいのかはわかりませんが、いにしえの色の世界にちょっと思いを馳せることが出来て大変満足しました。