春のはじまり

メキシコでは今年は3月19日が春分の日でした。

この日を境に、冬の間弱まっていた太陽が再び力を取り戻し、大地に新しい命が芽吹く、復活・再生の日です。

 

マヤ遺跡のチチェン・イツァは年に2回、春分の日と秋分の日、真西から沈む太陽に照らされた階段の影によってククルカンの姿が現れるピラミッドで有名です。

ククルカンはマヤ文明において、農耕や文化の神様で羽をもった蛇として知られています。

春分の日、そのククルカンが大地に降り立つかのような姿は、辛く苦しい冬を終えた人々に、大地の力と恵みを予感させ喜びをもたらすものだったのではないか、と思います。

 

天文と農耕。天と地の結びつきを如実に感じられる特別な日なんだなと。

 

それは今も変わらないようで、春分の日にはみなさん、太陽のエネルギーをたくさん浴びようと外に繰り出すのだそうです。真っ白い服を着て、ピラミッドや山など高い所に登って太陽に近づくのです。

以前、春分の日にベラクルス州のエル・タヒンという遺跡に行ったことがあります。全身真っ白の服を着た、たくさんの観光客がピラミッドの頂上で両手を掲げている様はすごくインパクトがありました。

 

そんなインパクトを再び求めて、今年はサンミゲルからバスで3時間ほどのところにある Peña de Bernal に行ってきました!

これは世界で3番目に大きい一枚岩で、ロッククライマーの友人曰く、すごくいい岩なんだそうです。

 

 

街中はセマナサンタの休暇と重なったせいもあってか、新宿駅並みに混んでました。

私も上まで登ろう!と思って意気込んで行ったものの、この日は風も強く、曇っていて太陽が出ず、断念しました。残念!

代わりに、街中を散策してきました。

 

Bernal もまた、織物で有名な街です。街のど真ん中にあるこちらのお店では工房も見学させていただけます。

縦糸をあえて見せる織り方は、ここならでは。とても素敵です。

 

また、Bernal に来るときに、いつも楽しみにしているのが、 Nopales en Penca という食べ物です。

刻んだサボテンを、サボテンの中に入れて蒸し焼きにしたものです。この地域の独特の食べ方なのか、サンミゲルの方ではこのような調理の仕方は見たことがありません。

でもこれが本当においしいのです。サボテンのエキスが、サボテンによって、サボテンにぐっと染み込む。これ以上ないくらいにサボテンを味わえます。

 

一枚岩を前に、ふざける植木もかわいい。

 

また、別の日には、サンミゲルの El Charco del Ingenio で、春分の日を祝うコンサートに行ってきました。

El Charco del Ingenio は、サンミゲルにある植物園で、たくさんのサボテンが見られます。川や様々な動植物が季節によって違う表情をみせる、自然そのままの保護区でとても気持ちの良いところです。おすすめです!

春分の日、毎年恒例のイベントだそうで、今年はオアハカ州の、Pasatono Orquesta というグループの演奏でした。

岩がそのまま客席です。

 

太陽を浴びながら、渓谷に響く音楽に身をゆだねる心地よさ。

 

本当に素晴らしいひとときでした。エネルギー補給できたかなー。春のはじまり。

そういえば、隣にいたメキシコ人は、全身真っ白の服装でした!

 

 

 

 

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