長かったような、あっという間だったような2020年。
今年はいつもと違ってメキシコで年を越すことになりました。織るためにメキシコにやって来た2007年以来2回目です。
コロナの影響で色々な予定は変更になり、メキシコの人々にとっても今年のクリスマスは例年とは違うものだったと思うけれど、私としてはカトリックの国のクリスマスはどんななんだろうと、楽しみにしていました。
クリスマスの数日前、町に行ったときには、どこへ行ってもご馳走の準備や人への贈り物の買い物に来ている人で賑わっていて、なんだかメキシコも年末感あるんだなぁと思ったりしました。
クリスマス前日の夜は、今年一番賑やかな夜だったと思う。ご近所から、町のいろんな方角から、音楽や花火や笑い声が響いているのがずっと夜更けまで聞こえていて、イベントや祭りが悉く自粛されてきたこの一年分の楽しさが凝縮されているようでした。
クリスマスの朝起きると、やけにしんとしていて、どこからも音がしない。聞こえるのは風の音と鳥の声だけ。
ずっと暖かい日が続いていたのに、急に気温が下がっていて、朝の空気がすごく冷たい。
その冷たさと静けさは、何か特別な感じがしました。
そしてその空気は日本のお正月に似ていると思いました。年を越すととたんに変わる空気。賑やかな年末を越えて、静かに華やかにやってくる新しい年。家々の軒先に飾られたピニャータがお正月の門松のようにすら思えてくる(笑)。
信仰的なことはさておき、やはりこういうことって必要なんだなぁと思う。親しい人たちで集まったり、美味しいものをたくさん食べたり、大掃除したり、一年をねぎらって、ご挨拶して、笑って年を締めくくる儀式のようなもの。そうやって一旦リセットすること。
毎年のクリスマスがどんなものなのか知らないけれど、今年、この状況の中でメキシコで感じたクリスマスの空気はとても好きだなと思いました。気持ちを新たにリセットして、また新しい一年に向かっていこうと思える力がある。
今年は確かに普段とは違うことがたくさんあったけれど、違う時間を過ごすことで見えたり、知ったりできたこともたくさんありました。
すでに年を越したような気持ちでおりますが、今年も織ったり染めたりしながら一年を過ごせたことにあらためて感謝しています。
アノ二ム・ギャラリーでの展示を見に来てくださった皆様、気にかけてくださった皆様、いつも応援してくださる皆様、本当にありがとうございました!
来年もより良き年となりますように。