Heno(エノ)とは

クリスマスがもうすぐなこの頃、あちこちで Heno を見かけるようになった。普段はトルティージャを売っているセニョーラが、唐突に苔やらサボテンやらHenoを売り始めたので、なんだなんだと思っていたら、キリスト生誕(ナシミエント)の飾りつけにこの時期、みんなこれらのものを買うのだそう。

サボテン、木の幹、石、苔、そして Heno。ナシミエントの飾りつけには欠かせない。

San Miguel de Allende のPlaza Civica に飾られたナシミエント。等身大の大作。

去年染めに使って見覚えがあった Heno だけれど、くるくると絡みつくように伸びる灰緑色がとろろ昆布みたい、という程度の認識しかなかったので、いざこの植物は何かと調べるとなると結構手間取ってしまった。

Heno を辞書で引いても「干し草」としか書いておらず、メキシコの友達に写真を見せてこれは何だと聞いても「Heno」と言われる(それもそうか)。だからHenoって何なんだ!

エアプランツかな、という見た目から、2017年にイダルゴ州を旅した時のこと、Huasca de Ocampo (ワスカ・デ・オカンポ)という小さな村に行ったときに見た景色を思い出した。

Huasca de Ocampo

そしてこの時の木に吊り下がっているこの植物が Heno だったことを3年越しに知る。

この Huasca de ocampo には duende(ドゥエンデ)にまつわる話がたくさんあって、とても面白い場所だった。duende というのは一言で表すのはとても難しい。辞書には妖精とか小人と書いてあるけれど、要は目に見えない人を惑わすような魅力、魔力を表していると思う。

Huasca de Ocampo には duende の博物館があって、その入り口が Heno だらけだった。なかなかに雰囲気ある。

Museo de los duendes en Huasca de Ocampo

博物館自体はいかにもファンタジーな小人の置物がいろいろ置いてあって、無理やりな感じがエンターテイメントだったけれど、Huasca でたくさんの人が経験しているという、duende 体験談はとても興味深かった。この土地ではほんのわずか目を離したすきに、馬の鬣や尻尾が三つ編みに結ばれることが多くあるのだそう。それを人々は duende の仕業と考えていて、実際に結ばれた馬の尻尾などがずらりと展示してあった。

museo de los duendes en huasca de ocampo

duende、Heno、馬でもう一つ思い出しのが、2014年にアルゼンチンの北部を旅していた時のこと。トゥクマン州の Tafi del Valle という町にもやっぱり duende の博物館があって、出会った人それぞれに、duende の体験談があって面白かった。

子供のころ、よく自分の部屋にやってきたという duende の話だったり、近所の通りによく現れては、そこを通る人がその場所を抜けられないようにいたずらする duende の話だったりを、今日は寒いね~って言うのと同じようなテンションで話す人たちだった。それこそ、年配のおじさんから、10代のパンキッシュな若者まで。不思議を不思議のままに受け入れていて、とても心地のよい場所だと思った。

そのTafi del Valle で丘を登っていた時に、Heno を見ていたことを思い出した。そこでは確か、barba de diablo(悪魔のひげ)と呼ばれていたと記憶しているけれど、調べてみたら barba de viejo(老人のひげ)と出てくるので、なにか記憶違いしているかもしれない。

Tafi del Valle, Tucuman, Argentina

 

Tafi del Valle

 

Tafi del Valle

 

Tafi del Valle

丘を登りきったところには馬が一頭いてとても美しかったのを思い出す。座って休んでいたら、初対面なのに随分と親しげに近づいてきたので、中に人でも入っているんじゃないかと思った。ちなみに、尻尾も鬣も三つ編みされてはいなかった(笑)。

ところで、結局 Heno とは何なのか、といえば学名チランジア・ウスネオイデス、日本ではサルオガセモドキと呼ばれる着生植物だということです。過去の写真を見て思い出を振り返ったところで全く分からなかったことだけれど、インスタグラムのコメントで名前を教えてくださった方のおかげで一発で判明しました。本当にすごい。ありがとうございました!

 

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