棉の記録

2020年の4月に庭に蒔いたメキシコの棉が成長しつづけていて、3回目くらいの収穫期を迎えています。

この2年間、一喜一憂、ドキドキはらはら、私の喜びも心配も憤りも、そして悲しみも棉の成長とともにありました。(大袈裟でなく!)

芽が出始めのころは、鳥がついばんでしまったりして、育たなかった種もたくさんありました。種を蒔いた数日後にまさかの季節外れの大雨が降って種が流されてしまわなかったか心配だったし、どういうわけか種を蒔いてから4か月も経ってからふいに発芽したものもあって嬉しかったこともありました。雨季になると棉はぐんぐんと大きくなっていくけれど、それと同時にまわりの雑草の成長もすごくて、永遠に終わらない草むしりに心が折れそうになったり。

きれいなクリーム色の花

受粉するとほんのりピンクに色づく。

受粉中

棉が大きくなると、バッタや蜘蛛、蜂などいろいろな虫もやってきて、それは賑やかになったけれど、せっかく咲いた花を食べられてしまったりして、また心乱される・・・。

極めつけは、そろそろ収穫できそうだ!と綿が弾けるのを楽しみにしていた2020年の年末くらいから、ハキリアリに狙われてしまい、ほとんど葉っぱや実を切られてしまったこと。これにはここ十数年で一番腹が立ちました。多分人生で2回目くらいに地団太踏みました。

正直人生で一番の憎しみを覚えたかもしれないハキリアリ。

葉っぱも花も実も切り取られて日々スカスカになっていく棉を見る悲しさといったら。

それでも本当に自然の力と時間というのは偉大で、また季節がめぐると少しずつ葉が育ち、再生していく強さには心打たれました。

出来立てのまだ青々としたミノムシ?のミノ

数か月経って枯葉色

花と実

綿がはじけた

2021年の8月くらいからちょっとずつ実がなって、綿がはじけて、また花が咲いて、実がなって・・・という感じで三か月ごとに収穫しています。背丈は伸び続けて150センチにもうすぐ届きそうです。

約8000年前の世界最古の木綿栽培の証拠が残るというメキシコ。

今収穫しているのは、2018年にメキシコのソノラ市場で買ったメキシコの棉の種の4世代目です。

無農薬、なんなら無肥料で、ほぼ自然に任せて育っていくのを観察している日々だったのですが、こんなにも心揺すぶられ、かつ満たされるとは。

今後は糸紡ぎの腕をもっと磨いて、細い糸にして、そしてまっさらなコットンの布を織ってみたいです!

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