イダルゴのおいしいもの

先日行ったプリスマスバサルティコスはメキシコのイダルゴ州というところにあって、サンミゲルからもバスで5時間ほどでイダルゴ州の州都パチューカに着きます。

パチューカはメキシコシティからも1時間半くらいの距離で、文化的にも距離的にも気候的にもそんなに違いもなく、遠く離れた感じもしないのですが、サンミゲル辺りでは見たことのないおもしろい食べ物がたくさんありました!

 

特に旅の間中、常に食べていたのが、Hualumbos (flor de maguey) マゲイのお花です。

マゲイは竜舌蘭という、テキーラやメスカルなどのお酒の原料として知られている植物です。ちょうど今が旬の時期だそうで、市場などでも生のものがたくさん売られていました。

普段よく食べる、ノパレス(ウチワサボテン)に似ているような感じもしますが、ノパレスほど酸味もなく、マイルドなおいしさでした!おそらくニンニクや玉ねぎと一緒にしんなり炒めてあって、トルティージャから具がはみ出るほどに挟んである、満足の一品!破顔するおいしさです。

flor de maguey

flor de maguey マゲイのお花のタコス

Flor de maguey

道端に咲いていた、マゲイのお花

 

メルカドで頼んだアトーレ(とうもろこしの飲み物)は緑色をしていました。

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chanpurro ハーブが入ってます。

アトーレはトウモロコシの粉を使った、温かく、少しとろんとしている、お汁粉みたいな甘さのある飲み物で、たいていのアトーレはチョコレート味、グァバ味、クッキー味など味付けしてあります。

この緑のアトーレは、chanpurro という名で、赤砂糖とチョコレート、そしてペリコンが入っているのだそうです。

ペリコンとは、メキシコで古くから薬草として親しまれてきた、黄色のお花をつけるキク科の植物です。薬草としては、腹痛や胃もたれなど、お腹の調子の悪い時に効くようです。この緑色はペリコンの色だと思いますが、こんな健康的な気分になるアトーレは初めてでした。温かく、やさしく、とてもおいしかったです。

 

パチューカの市場では、高級食材、メキシコのキャビアと言われる、蟻の卵(Escamole) が売られていました。

とりあえず食べてみたい!と思い、市場の食堂へ。

この Escamole のタコスと、Chinicuiles というマゲイにいる芋虫のタコスを頼んでみました。見た目はなかなかに印象的、蟻の卵と芋虫そのまんま、なのですが、これが本当に美味でした。本当に本当に美味です。

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Escamole 蟻の卵。今が旬。高級食材。

 

イダルゴへの旅では、食の豊かさが深く心に残りました。何を食べてもおいしい。その土地のもの、その季節のものが豊富で、市場の活気も印象的でした。キノコや薬草などがさりげなく料理に使われていて、大地の恵みがそこかしこに感じられました。

マゲイのお花にしても、薬草にしても、蟻の卵にしても、芋虫にしても、先住民の人々が何百年とその土地で食べてきたもので、人間の食に対する好奇心だとか、共生する動植物への深い知識、それから調理の知恵や経験などが長い年月をかけて重なりあったおかげで、今、私はこうしておいしいものを食べられるんだなと、思いました。

 

おいしいってすごいです!

 

 

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